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三浦綾子「明日のあなたへ」


作家、三浦綾子のエッセイ。
三浦綾子と言えば「氷点」や「塩狩峠」などが有名ですね。

彼女の名前や作品は知っていたものの、まだ彼女の本を読んだことは
なかったのですが、何となく手にとり、最初のページをめくったとき、
こんなことが書かれていました。

 九つまで満ち足りていて、
 十のうち一つだけしか不満がない時でさえ、
 人間はまずその不満を真っ先に口から出し、
 文句をいいつづけるものなのだ。
 自分を顧みてつくづくそう思う。
 なぜわたしたちは不満を後まわしにし、
 感謝すべきことを先に言わないのだろう。

「あ〜、確かにそのとおりだ。」と、自分を恥ずかしく思いました。

このエッセイは、キリストの洗礼を受けた彼女がキリストの教え
(聖書の言葉)を様々なエピソードを交えて書いています。
わたしはクリスチャンではないので、聖書については全く無知です。
が、ハッとされたれる言葉も多く、日々感謝の気持ちを忘れずに、
ただ”いま”を憂いているばかりではダメなのだと、
自分を振り返る本となりました。

カーリー・フィオリーナ「私はこうして受付からCEOになった」

この本は、彼女の子供時代からヒューレット・パッカード社のCEOになる
までの軌跡と、2005年の解任劇の様子が語られています。

何だかすごい女性でした。
カリフォルニアの小さな不動産屋の受付から、AT&T、ルーセント、HPと
キャリアを積み上げていく。
どんどん役職があがっていくんですね、彼女。

あまりに超人的で「あ〜、わたしはこんな風にはなれないわっ。」と思った。
ただ、リーダーとしての考え方や部下への接し方などは ”はっ!” とする
ことが各所に書かれており、すごく勉強になりました。

定期的に読み直したい本です。

福沢恵子監修「私の仕事道」
活字欠乏症。

ということで、4月からメンバーとして参加している J-Winの推薦図書で
気になる本があったので、久しぶりの読書にと手にとってみました。

内容は、組織でのマネジメント経験をもつ10人の女性の仕事論や人生論を
インタビュー形式で紹介したものです。
巻末にはJ-Win会員企業で働く女性社員のアンケートがまとめられています。
(だから、J-Win推薦図書だったのか。。)


以前、監修の福沢恵子さんの講演会をお聞きしたことがあり、
何となく親近感もあり、またこれから仕事を続けていく上でヒントになる
ことが書いてあるのでは・・・との期待をもって読み始めました。

読み終えて思いました。
やっぱり、トップに上り詰めた方々はパッションが違います。
わたしはこうしたいんだ、という信念がとても強いと感じました。
才能や能力ももちろんあるのでしょうけど、それ以上に”気持ち”が何より
大切なのだと思いました。(わたしにはあるのだろうか。)

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田辺聖子「猫も杓子も」
もう何冊目になるか、田辺作品。

この「ねこしゃく」は、もう40年以上前に書かれた作品だそう。
が、今でも何の違和感もなく読めてしまう。


ストーリーは、以前読んだ乃理子三部作と似てる。
仕事もお金もある。
自由に遊べる男たちもいる。
自由気ままな30歳、阿佐子。
そして、阿佐子を取り巻く個性豊かな男性陣。悟、信吉、国包。

お話としては、”あ〜、またこのパターンね” と言った感想ですが、
恋する女子の気持ちをすご〜く的確に表現している文章があったので、
世の中の殿方にご紹介しておきたい!

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絲山秋子「絲的メイソウ」
昔読んだ本を読み直す。(最近読み直しネタが多いぞ。)

第五弾は、オモシロ過ぎるエッセイ「絲的メイソウ」です。
2004~2006年に小説現代にて連載していたものの単行本化。

絲山作品は、第134回芥川賞受賞作品「沖で待つ」を読んで以来、
淡々とした表現のなかにある、人間臭いあったかさみたいなものが好きで
新刊が出るとつい買ってしまいます。
作品が好きって言うよりも、作者が好きです。

そんな絲山秋子の魅力が全開なのが、この「絲的メイソウ」です。
思わず ”ぶふふっ” っと吹き出してしまう話がてんこ盛り☆


例えば、『世の中よろず五七調』というタイトルのエッセイでは、
現行用紙十一枚、すべてを五七五調で書いてます。
くだらないんですけど、ものすっごーい面白いんですよ、これが。
あとは、禿が大好きな作者がひたすら禿を賛美する『禿礼賛』とか。

そして、この本の魅力をさらにUPさせているのが、
中村純司のイラストではないかと思います。絶妙過ぎる!

久しぶりに読み直しましたが、今回も笑わせて頂きました。(拝)

あ・・もうひとつ。
作者が昔よく行った飲み屋の壁に貼ってあったという ”酒飲み三訓” が
かなり粋なのでご紹介をば。

・飲んだら酔え
・くだを巻くな
・金を払え

かっこいい。

大道珠貴「しょっぱいドライブ」

昔読んだ本を読み直す。

第四弾は、第128回芥川賞受賞作「しょっぱいドライブ」を。
Book-Off にも売らずにとっておいた本だから、よほど面白かったのかと
思って手に取ってみたのが・・んん?

港町に暮らす34歳の女ミホと60代前半の老人との恋愛模様?を、
ミホ目線で淡々と語られる。ミホの老人への態度があんまりなので、

『何だ、この女!』

と思ってしまった。(全く理解できないってわけでもないけど。。)
老人も人が良過ぎるぜ。

タイトルどおり、何だかしょっぱい本でした。

朝倉かすみ「好かれようとしない」
実に気持ちのいいタイトル。

朝倉かすみ作品は「肝、焼ける」に続き、二作目。
同僚のOさんが貸してくれました。
登場人物の台詞が小気味良くて、田辺聖子に通じるところがある。
好き。


以下、裏表紙より。
デートの経験もある。男と寝たこともある、一度きりだけど。
二十五歳の二宮風吹は「必死」が苦手。恋に餓えた顔を晒すくらいなら
地味で結構。そんな私が一目惚れするなんて。
鍵屋の若旦那を想う気怠く、もどかしい日々。攻め手が分からない。
そんなときアパートの大家が言った。「好かれようとしないことよ。」

この本で魅力的と感じたところは、ふたつ。

まずは、70歳の粋な大家さん。
何かと取り繕おうとする風吹に対して、サラリと言うのです。

『一寸先は闇だけど、闇は暗いものとはかぎらない。
 ときに夜明けのように明るいことだってあるんだわ。』
『あれこれ思うはひとの心、ふっと思うは神の心といいましてね、
 ふっと思ったら、それに従ったほうがなにかといいのよ。』
『気に入られようとしないほうがいいわね。』
『好かれようとしないことよ。』

ほほ〜ん。
なるほどね。
だよねぇ・・そうだよね、やっぱり。

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小川糸「喋々喃々」
初めて読む作家、小川糸。

喋々喃々(ちょうちょうなんなん)とは、
男女がうちとけて小声で楽しげに語りあう様子・・とのこと。
春の日だまりのような、明るくてあったかい情景が頭に浮かんだ。


谷中でアンティークきもの店「ひめまつ屋」を営む栞と、ひめまつ屋に
客として突然現れた、父と似た声をした春一郎との恋のお話。
早い話が "不倫" なのだが、栞の穏やかで丁寧な生活や、
春一郎の大人の振る舞いが、嫌らしさを感じさせずに清潔感をもって読める。

そして、物語の始まる1月から終わりの大晦日まで、
春夏秋冬それぞれの季節、そしてその移ろいが、
東京下町の祭り事、栞の着る着物、食べ物、植物を通して伝わってくる。
読んでいると、その風景や温度、匂いがパーッと頭に浮かぶ。
そんな作品です。

装丁も可愛らしい。
真っ白なカバーの下にうっすら透けて見える本体の赤い模様。
主人公の栞の雰囲気にぴったりの素敵な装丁です。

別の作品も読んでみたくなりました。

西原理恵子「いけちゃんとぼく」

昔読んだ本を読み直す。

昔、大切な友人からプレゼントされた本。
西原理恵子「いけちゃんとぼく」です。(漫画)

漫画だし絵もそんなに上手じゃないし、
途中までは ”ん?ナニコレ?意味分かんな〜い!” って感じだったのですが、
ラスト10ページ、急に涙が溢れてくる不思議なストーリー。

この本をプレゼントしてくれた友人こそが、
わたしにとって ”いけちゃん” そのもので、そのあたたかさとキュートさに
久しぶりにジーンときてしまいました。

そう言えば「パーマネント野ばら」もそうですが、西原理恵子作品は最後に
ジーンとくるものが多いですね。「毎日かあさん」が観たくなった。

朱川湊人「かたみ歌」
最近読書が楽しい。

たまには読んだことのない作家の作品を読んでみようと思い、
本屋でウロウロしていたところ、何だか懐かしいイラストが書かれた
この本が目にとまりました。

朱川湊人、2005年「花まんま」で直木賞受賞。
昭和という時代が残した”かたみ”の歌が、慎ましやかに人生を包む。
7つの奇蹟を描いた連作短編集。(連作短編集、大好き!)


舞台となるのは、昭和40年代半ばの、アカシア商店街とその周辺の町。
「かたみ歌」とあるように、昭和の懐かしい歌(わたしは知らない)が、
たくさん登場します。
七篇の主人公は、この町で ”死” にまつわる不思議な体験をします。
全篇に登場する "覚知寺" という怪しげなお寺、古書店『幸子書房』の
気難しげな男店主。
一篇一篇読み進めていくごとに、その不思議が少しずつ解けていきます。


切なくて哀しい、そんな読後感。
特に第二話の『夏の落とし文』は、涙腺崩壊。
行方知れずになった兄の話が、弟の目線で綴られています。
弟を思う兄、兄を思う弟。胸が苦しい。

願わずにはいられない。カラスヤノアサイヒテノリアスカエル。